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【天下一閃の役モノの秘密】プロジェクトD~挑戦者たち~「役モノ設計グループ」

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Daiichiジャーナル天下一閃を含む役モノ開発インタビュー

皆さま、こんにちは。
今回からはじまりました新企画「プロジェクトD~挑戦者たち~」

一口にパチンコメーカーといっても、パチンコ/パチスロ企画・液晶演出・ソフト開発・メカ開発・デザイン開発・役モノ・テスト・製造/購買(部品調達)・申請・知財(特許)・ライセンス・営業・人事と業務は多岐にわたります。

そこで、毎回ひとつの部署にスポットを当て、通常、ファンの皆さまにはあまり知られることのないテーマで各部署の実態を紹介したいと思います。

 

第一回「役モノ設計」

Daiichiジャーナル天下一閃を含む役モノ開発インタビュー

(ナレーション)今回話を聞いたのは役モノ開発リーダーKさんとCR天下一閃の開発進行を担当したSさん。本記事は彼らの話を基に構成されている。

役モノ設計とは、パチンコ・パチスロに搭載される役モノ全般について対応する部署で、液晶機におけるギミックはもちろん、ステージやアタッカーから、アナログ機の一撃台・羽根モノに搭載されるいわゆる「役モノ」をあつかう。

液晶機は初期に固められた機種コンセプトにもとづき、液晶演出と平行してギミックの開発がスタート。一方のアナログ機は、役モノが主役。役モノありきで機種の開発が進展する。

 

役モノを作る流れ

Daiichiジャーナル天下一閃を含む役モノ開発インタビュー

(1)企画・デザイン・メカ設計・電気設計・ソフト設計者など機種開発に必要なメンバーで構成される機種開発PJを立ち上げる

(2)機種のコンセプトを決め、それに沿った盤面デザインや役物のアイデアを設計する

(3)要求仕様・デザインの要望などを満たすように機構設計を行う

(4)試作品を作成し、商品として面白いか、また品質に問題がないかなどの評価を行う。ここで要求仕様を満たしていなければ、設計と試作品検証を繰り返す

(5)量産化に向けた設計を行い、協力企業にて金型を作成する

(6)金型品にて、商品性・品質に関わる最終評価を行い、金型を完成させる。ここで不具合が発生した場合は、金型修正を行い、量産金型を完成させる。

(7)量産と同じ状態にて、「保通協」へ申請を行う

(8)「保通協」の型式検査で「適合」を受けると、各都道府県の「検定」を受ける

(9)各都道府県の「検定」に「適合」を受けると無事市場投入可能となる

 

機種のクオリティを担保する品質チェック。面白い面白くないはもちろん、量産品としての水準も高いレベルで要求される。特に、それ自体が大当たり確率を左右するアナログ機の役モノには、個体にばらつきが発生しないように微妙な調整が必要不可欠だ。

Daiichiジャーナル天下一閃を含む役モノ開発インタビュー

「CR天下一閃」

久しぶりに世に出された伝統的なアナログスタイルの機種。根本のゲーム性や遊び方は古典的だが、搭載された役モノは斬新で、業界内外の注目度は高い。

しかし、役モノ設計の調整でいえば、過去にさかのぼっても類まれな厄介さを持つ。担当した10年選手の開発リーダーKさんも、いままで扱ったなかでも1,2を争う大変さだと漏らす。

進行管理のSさん、下段役モノを最初に見たときの感想は「確率が安定するように見えない。大変そうだなあ」。まさか後に自分が担当になってその大変さを身をもって思い知らされることになるとは。

 

想像を絶する役モノとの戦い

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検証テストは、専用ツールでどれくらい試行すれば信頼性を担保できるかを計算し、その算出した回数にもとづいて行われる。何台もの下段役モノ検証用の機械を用意し、調整と検証を繰り返す。その期間は実に3カ月間におよんだ。

 

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CR天下一閃の役モノは極めてシビアな作りだ。役モノ部品を取り付けるネジの高さが変わるとステージの傾きに影響が出る。役モノに直結する重要なパーツの取り付けには特殊なドライバーを使用する。設定した数値の力を加えるとそれ以上締まらないような機能を持つトルクドライバー。徹底したトルク(ねじりの強さ)管理は、自動車などの精密機械を連想させる。

当初、この調整をできる人物がSさんしかいなかった。上司から冗談で量産時にはSさんが工場に行って全部自分で組み上げればいいじゃないか(笑)と言われたほどだ。実際には製造部署の全面協力のもと、量産品でも完璧な調整が実現ができた。

 

液晶機とは違う苦労がある

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液晶演出の進化とともに、役モノは大きく派手になった。「CR銀河機攻隊マジェスティックプリンス」はいろんな意味で頑張ったその最たる例だ。

ちなみに、某メーカーのような「フェイス オブ バカボン」を製作しようとすれば試作に1カ月、量産化に最短で8カ月。費用は高級車○台分という目算になる。

液晶演出の開発に費用がかさむため、役モノに回ってくる予算は少ない。それでも、常に面白いもの、新しいものを求められる。タイアップ全盛時代である今は、モチーフとの絡みも考えなくてはいけない。「機種コンセプトとイメージが違う」と一蹴されることもしばしば。捨てられたアイデアでパソコンの容量はパンパンだ

日常の風景や流行から役モノのアイデアを考える。ヒントは必ずしもギミックや機械から得る必要はない。むしろ「動かし方」は後回し。まずは「どう動かしたいか?」「どう動かせば面白くなるか?」を考える。それを実現する機構(動く仕組み・機械の内部構造)はその後に試行錯誤する。

 

スペック的な内規規制はアナログ機に追い風!?

Daiichiジャーナル天下一閃を含む役モノ開発インタビュー

今、パチンコ業界にはさまざまな規制が襲いかかっている。しかし、ほとんど変わらずにそれほど制約を受けていないポイントもある。役モノだ。スペック的な問題をクリアできればアナログ機は液晶機に比べ自由度が高い。開発リーダーKさんに水を向ける。

「羽根モノ全盛時代に仕事をしてみたかった?」

今の羽根モノは、昔に比べ開発者の遊び心が少ないものが多くなった。データや情報で良し悪しがはっきりするため、限られた役物しか作成ができないという状況がある。
ただ、ぱちんこの原点は球の動きを楽しむこと。昔のように「面白さ」を追求した技術者の遊び心があるいろんなタイプの楽しい役モノを作ることはメカ屋としての腕の振るいどころ。

Kさんの答えは「もちろんやりたい」。

進行管理のSさんも口を揃える。
「CR天下一閃のように開発は本当に大変だが、玉の動きが大当たりに直結するシビアな設計が必要なアナログ機のほうが設計者として面白い。」

彼の目標はそんな面白い役モノに1番最初のデザインから完成まで一貫して携わることだ。

 

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役モノの自由度が高い羽根モノ。スペック面で幅を出せる一撃台などのアナログ機。そして、加速装置やドキドキゲートなどのスペックにプラスアルファをもたらす役モノを次々に作り出すDaiichi

加速装置やドキドキゲートに続くアイデアはあるか?との問いにKさんはにやりと笑みを浮かべてこう答えた。

 

「秘密です。期待していてください」

 

Daiichiの役モノの未来に期待しよう。

Daiichiジャーナル天下一閃を含む役モノ開発インタビュー

 

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