【今年はどんな年?】2017パチンコ僕らの時代
皆さま、こんにちは。
今回のDaiichiジャーナルは”2017年を振り返る”をテーマにパチンコ雑誌「パチンコ必勝ガイド」の三賢人による座談会をお送りいたします。今年の機種やパチンコ・パチスロについて、はたまた業界全体の話題について、ざっくばらんにトークを繰り広げてまいります。
気になる座談会のメンバーですが、まずは当コラムでもおなじみ、さすらいのパチンカー・バイク修次郎さんです。
続いて、初登場となるDJラオウさん。「パチンコ必勝ガイド」でのライター業のほか、パチンコパチスロ動画の制作、ホールスタッフ向けセミナーやメーカー開発コンサルティングなど幅広く活動しておられます。
そして最後は、なんと「パチンコ必勝ガイド」の編集人、福井理さんにご登場いただきました。
どこかアカデミックな雰囲気を醸し出している感じもありますが、いったいどのような話が飛び出してきますでしょうか。さっそく座談会のスタートです!
――2017年を振り返る座談会ということで、今年パチンコ・パチスロ業界で起ったさまざまなことについてフランクにお話いただければと思います。それでは、まずはエンジンを温めるといった意味でも軽い話題から。今年のベスト機種はなんですか?
ラオウさん すみません、Daiichiさんではないんですけど、個人的には「CR An◯ther」ですね。バランスがすごく良かったのとの、やっぱり役モノ演出のドキドキ感が今年のパチンコの中でダントツによかったです。
福井さん ウチのライター陣の評価もけっこう高かったですね。
バイクさん 自分は勝負しやすい機種を打つことが多いんで、それで言うと「ぱちんこ必殺◯事人V」なんですよね。ダントツでこの機種です。もともとのスペックが甘い上に技術介入要素もあるんで、パチプロが好む要素があるっていう。
ラオウさん 実は僕も「必殺◯事人V」は、ほぼ1位に近いですね。演出関係役モノ関係それぞれ含めて今年の中でピカイチです。でも他の機種を推したのは、演出・役モノ演出至上主義みたいなものにちょっとアンチなところがあって。
バイクさん 勝負という面では「CR◯斗の拳7 転◯」もいいんですけどね。「転◯」は最初、突然時短の演出が嫌でしょうがなかったんですけど、慣れるとけっこう中毒性もあった(笑)
福井さん あの「転◯」のスペックは、実際にホールに入る前に発表されて、時短7回っていうのは引っかかっていたけど、実際に打ってみるとそんなに気にならなかったです。
福井さん パチンコ必勝ガイドの編集の立場から言うと新筐体や演出面からしてもやはりバイクさんと同じ「必殺仕◯人V」ですかね。個人的には「ぱちんこ 魔法少女ま◯か☆マ◯カ」かなっていう思いもあります。今年後半のトレンドでもある1種2種混合機のなかで成功した。なんか「やれる感」もあるというか。
ラオウさん やれるときとやれない時の差がすごく大きいですけどね。
福井さん 実際やれる時の方が少ないんですけど、とりあえず1回当てたら「もしかして」っていう期待が他の新基準機よりできる。
――今の話のなかでも出てきましたが、今年登場した機種の傾向とか特徴についてお話いただけますか。ひとつは1種2種混合、もうひとつは終わりかけた小当りRUSHの復活なんかがそうなかと思いますが?
福井さん 小当りRUSHの台って今までもあったけど、なんかヒットしている機種はなかったのに、それを覆したっていう意味でも「ぱちんこ GA◯TZ」はすごかったですね。終わりかけていた小当りRUSHを復活させたっていうのは大きいですよね。市場に出た機種は8割ほど打ってるんですけど、今年一番いい機種はやっぱり「GA◯TZ」かもしれません。
バイクさん あと「CRアナ◯ーゴッドハー◯ス アドベント」にはビックリしましたね。
福井さん 確かにあのアイデアはね。そういう台が増えるかなとは個人的には思っていたんだけど。規則が変わる中で、ベースの話が出た時にそれを担保するには「ハー◯ス」とかの、このシステムがベストなんじゃないのかと。
ラオウさん 業界的な流れはキツいですけど可能性は感じた年ですね。
バイクさん 自分がこだわる「勝負」っていう部分の目線で言うと、去年まで、新基準機になってこれ以上は無理だろうなと思っていたのが、今年でもけっこう計算できる新基準機がいっぱい出てきた。そういう点では助かりましたね。新基準機でも全然勝負になるじゃんっていう安心感が出た1年でもありましたね。
ラオウさん 僕の見解としての今年の特徴は、どのメーカーさんもより役モノに力を入れてきたなという感じですね。
福井さん 役モノ+筐体の派手さはやっぱり「CR牙◯GOLDSTORM翔」とか「仕◯人V」が出たことによって、他メーカーも刺激を受けて、より加熱しそうな感じがありますね。
ラオウさん さらにコアなところで言うと、今年の傾向とすれば自然落下系の役モノが増えたなと言うのが僕は印象に残っていますね。
福井さん 一時、自然落下系の役モノは早ければ早いほどいいっていう説が広まっていましたね。早いし驚くっていう。
ラオウさん そうですね。で、役モノだけ見ていくと、モーターを使った役モノでも、例えばDaiichiさんの『CR哲也3』なんかもそうですけど、役モノの動きがめちゃくちゃ早くて、正直ビックリしましたね。役モノ進化っていうのも今年の特徴だったなと思いましたね。
福井さん 導光板などもそうでしたもんね。Daiichiさんの『CRひぐらしのなく頃に~叫~』は3層も使っていますしね。
――機種の傾向として「役モノ機」はいかがでしょうか。CR天下一閃は去年の台ですが、スペック違いを出したり、新規参入組A-◯onの「CR GoGoピラ◯ッド」やジェ◯ビーの「CRジェッ◯アローII号」、発表だけで設置は来年ですがマル◯ンの「CR◯龍」など、見栄えのある役モノ機が増えてきました。
バイクさん こういうのが流行って欲しいですよね。
ラオウさん ほんとに流行って欲しいっていう願望だけですね。
バイクさん パチンコが本当に好きな人はこういうのが流行って欲しいって思いながら打っていると思いますけど、なかなか流行らないですよね。
福井さん 数年前から持論で色んな人にも話しているんだけど、流行らすには、まず営業形態が変わらない限りは、こういう台が流行るわけがないですよね。一回交換だったり、打ち止めだったりとかそうじゃないと使えないです。
ラオウさん まあ、お客さんの出費が抑えられて、一日打ってもお店側の台のもうけが3000円くらいだったら、今の主流の高齢者層には流行ると思いますね。
福井さん そうなんだよね。別にお店が損しろっていうわけじゃなくて、我慢できるレベルのものとして営業してもらえれば、(流行は)あると思うんだけど。その台っていうよりか、環境的なものが変わらない限りはアナログな機種が出ても大きく流行らないのかな。
――その環境面に関係すると思いますが、ホールさんについて思うことはありますか? 今年の動向とか。
ラオウさん ホールさんを責める気はありません。ホールさんもどうしようもないですもん。甘くすればバイクさん(パチプロ)の餌食になったりするし(笑)
バイクさん 俺一人くらいイイだろ(笑)
福井さん ※軍団とかね。
(※大人数で分担して勝負しやすい環境や機種を狙う組織的な集団)
バイクさん 軍団も今、止め打ちとか技術力が上がっているんですよ。だからガッツリ抜くんで、ホールさんからすれば痛いんですよね。この影響で止め打ちにうるさいホールも増えたし。
ラオウさん でも、一応ルールを守りながらやってるので、僕は軍団を責める気もないです。確かに業界からすれば悪かもしれなけど、別に遊技シーンからすればルール違反でもなんでもない。
福井さん 今年1年でだいぶホールのハウスルールが厳しくなりましたよね。
バイクさん 多分、売上が落ちているから、そこを厳しくしたりだとかしていると思うんですけど、そこは締めちゃ行けないところだと思うんですよね。
ラオウさん 本当に、ホールさんがやれることってもうギリギリ。例えば、軍団がギリギリ打つか打たないかだよねっていう状況を見極めてサービスを作るとか。まあ現状だと、まず最初の見極めができてないですよね。
――ちょっと話が逸れるかもしれませんが、等価交換を禁止にする地域が広がってきています。状況は変わったでしょうか?
ラオウさん 変わってないです。お店側の利益が取りやすいだけですよね。だた、これでお客さんが減ったとかも特に感じてないです。
とにかく、近年の傾向としては、ホールさんは集団プロがいることによって出玉でのPRが難しいという点が一点。で、もうちょっと食い物にされないレベルのギリギリのサービスというものをやっていけばいいんですけど、そのラインが上手くできるホールさんが少ない。そして、多少お客さんが有利な状況になっていても、やっぱり一般のお客さんは気づかない。
そうなるとどうしたらいいかって言ったら、お店をキレイにするか新台を入れるかとにかく出玉じゃないところにお金をかけてお客さんを呼ぶということしかできなくなってしまう。
そういったところで勝負をするから、また、お客さんに出玉で還元できなくなってしまう。それによってまたゆっくりと遊技人口が減っていくと。
だから、僕はホールさんを責める気はないんですよ。ただ、このままじゃダメですよっていうのをみんなわかっているのにどうしようも出来ないっていうのがここ近年の流れですよね。
――ありがとうございます。それでは、少し趣向を変えまして、今年の業界的流行語はありますか?
福井さん (バイクさんを見ながら)頑バイク!ですか(笑)?
バイクさん いっとき流行りましたけど、もう終わりました(笑)
福井さん ヤバイクとかは?(笑)
バイクさん それもですね(笑)
ラオウさん 無理矢理ひねり出して、規則改正とか依存症ですかね(笑)。今年の漢字的なので言えば「減」ですかね。いろいろ減っていますし。
――「減」といえば遊技人口の減少に歯止めがききません。
ラオウさん 遊技人口の減少を止めるには2つしかないと思います。遊技人口を増やすか総設置台数を減らすか。空き台は一般企業で言えば在庫みたいなもんなんで。今、在庫があり過ぎる状況で、無駄が多い。
福井さん 総設置台数を減らすっていうのは、遊技人口を増やすってことじゃないけど、業界活性化のひとつの手ではありますよね。遊技人口増やすって言ったって、人口ピラミッドからみても若い層がいないわけだから増えるわけがないんですよ。
だから、これは業界の意見とは反対なんだけど、今、オリンピックとかで受動喫煙の話もあるけど、若い人はタバコも吸わないし、パチンコ店に入らない理由ってタバコと騒音でしょ。ここを解決しないと入らないですよ。既存ユーザーがタバコ吸う人が多いから、タバコを吸える状況にしなきゃホールの営業が成り立たないと思ってるかもしれないけど、タバコ吸わない人からしたらそれが理由で来てない人もいるのでそっちを取るかどうかなんです。
――そういった状況の中で今後のパチンコについてはどうでしょうか。規制などもありますけど、どう思いますか?
ラオウさん 今度行われる規則改正について、まあ大元の問題である依存症とかそういうものの調査ってまだ始まったばかりなんですよ。依存症の対策として、本当にこの改正が必要なのかって言われたら、個人的には必要でないと思いますね。ただ単純にパチンコ・パチスロという現状だけ見た場合には。
福井さん おそらく、依存対策と出玉規制はイコールではないですよね。
ラオウさん 専門ドクターによっては、1パチの方が依存症にはなりやすいという見解を出している人もいます。ただ、なんか論文でそういった例が出ているとかいったものはないので、なんとも言えないんですよね。
福井さん 今の依存対策はどちらかというと家庭を崩壊させないように負け額を減らすみたいな方向の規制になっています。
ラオウさん 医学的な対策ではないんですよね。経済的困難ですとか治安対策とかそっちを目安としている規則なので、そこを混同して考えると議論がまとまらなくなるんですよ。
医学的にどうなの?と言われたらふわふわした話になるし、単純にその大きく負ける人を減らそうとかならその規則で正しい。ただ依存症っていう定義にもよりますけど、問題としなければいけないのは結局、生活に支障をきたすレベルの行動を起こしているかどうかと言うところ。借金だったり、家族に迷惑をかけるとか。
福井さん 規則改正の影響で、来年以降の台がつまらなくなる可能性っていうのがあるので、そういう中でも楽しい台が出てきたり作ってもらえたらいいなとは思いますね。
バイクさん 新基準機が出初めの頃、僕は絶望感がけっこうあったんですけど、なんだかんだDaiichiさんをはじめメーカーさんが頭をひねって面白い機種を作ってくれた。なので、今後も面白い機種を作ってくれるだろうという期待感はありますね。
ラオウさん 僕一個人としては、1番好きだった時代が220〜240分の1の大当り確率が主流だった時代がなんですよ。なので、スペック下がることについては別になんとも思っていないです。
福井さん あの時代は時代で面白かったですしね。
バイクさん 設定付きのパチンコはいつから出るんでしたっけ?
福井さん どうなんでしょう。2月から作れることは作れるんだけど、当分作らないだろうし。
ラオウさん 本当にわずかですけど、設定って希望でもあるんですよね。
バイクさん 自分も個人的には賛成ですね。
福井さん 私は一雑誌メディアとしてはそこにはすごく期待しています。なぜパチンコのほうが遊技人口が多いのにスロットメディアの方が需要があるのかって考えた時に、その答えは設定だと。パチンコなんで液晶に設定示唆とかも入れられるじゃないですか。
バイクさん 設定+玉の動きでさらに面白いでしょうね。
ラオウさん どう示唆演出を作るかによって、若い人たちを再び取り込めるかってところが勝負どころですよね。1日の試行回数も少ないので確定演出とかをどの頻度で出すかとかいうさじ加減が大事になりそうです。また、朝イチリセットしてあるかどうかっていうのも打つ動機にもなりますよね。
福井さん 朝イチ出目を見るとかもそうだしね。朝イチ役モノがガックンするみたいな(笑)
――それでは最後に来年の展望について。どんな2018年はどんな年になると思いますか? またどんな年になってほしいという希望でもかまいません。
ラオウさん 個人的には職業柄かもしれませんけど、新台の出来を鑑賞しに打っている部分というのがあるんですね。液晶はどうだろうとか、役モノはどうだろうみたいな。
それで、今年はどちらかというと機種に惚れて打つ場面が多かった。例えばDaiichiさんの機種だったら『CRおそ松さん~THE・DRUM~』。主題歌がすごく好きなので、パチンコにしてもパチスロにしても、主題歌をちゃんとメインにしてくれているのが最高でしたね。この歌を聞きたいために打つみたいな。全力バタンキューリーチも音とドラムがすごくマッチしていましたし、勝ち負けよりもあれが見たいがために打っていましたね。
来年もそういう台が多く登場してくれるとうれしいです。
バイクさん 『極閃ぱちんこCRうしおととら』は楽しみですね。
ラオウさん やっぱり玉の動きで決まるっていうのはパチンコの醍醐味ですからね。
バイクさん CR天下一閃は本当にバランスや見せ方が最高でしたからね。同じ役モノなんでヒットしてもらいたいですね。
福井さん 個人的な気持ちとしては、どんな機種が出ても楽しみたいなと。雑誌の立場としては、来年いろいろと変わってくるので有益な情報を読者の方に伝えられるようにしたいですね。
ラオウさん 僕が来年に期待することは、規制のこともあるので、本当に目に見えてガタっと業績が悪くなる可能性が高いじゃないですか。ですから、来年こそは業界の人たちに、いろんな様々な立場もあるだろうけど、一丸となってみんなで真剣に業界を盛り上げる、立て直すために、どうすればいいのかを考えるいい機会だと思うんですよ。
こうしてズルズル下がってきている業界で、自分だけが生き残ればっていうのもあったかもしれないですけど、そんなことも言っていられないって言うのが来年はあると思うので、一丸となって業界を改善していこうという年になればいいなと思います。
ちょっときれいにまとまったんじゃない、これ(笑)
バイクさん 関係者が愛を持たないとダメだよね。
――みなさま、本日はお忙しいなか、長い時間お話いただきありがとうございました!
©赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会
©さいふうめい・星野泰視/講談社
原作/藤田和日郎「うしおととら」(小学館刊)
©藤田和日郎・小学館/「うしおととら」製作委員会